長野旅行③~入門!伊万里塾~
今回の旅行の山場はどこかと聞かれたら、わたしはここと答えます。
小布施の古陶磁コレクション「了庵」さんです。
ちっちゃいけれど、美術館です。古陶磁の美術館。
なんだか雑誌やテレビで紹介されるレベルの伊万里焼きがあるっつー話しです。
ここ了庵さんで、我々野良の一族は、なんやかんやで古陶磁、おもに伊万里焼きについてお話を聞き、勉強することになりました。
なんでも、真贋を見抜く目を養い、これであなたも鑑定人!みたいなかんじになれるっつーことで、さっそく館長さんが案内してくれるわけですよ。
さあ!っつって。初期伊万里とは!古伊万里とは!っつって。陶器や磁器と、それにまつわる歴史についてお話をしてくれるんですが、この館長さん、ちょいちょい質問ぶっこんでくんの。
例えば、ずっと昔の平安時代、日本に輸入される文化の最先端はどこだったか。
どこだと思う?
って。あたしご指名で聞かれたわけ。で、あたしは中国でしょ?って思ったの。
だけどあたし、めっさ控えめなタイプ。長い学生時代すべてを通して、自主的に挙手とかしたことなんか一度もねーの。嘘偽りなく、ほんとに一度たりともねーの。
教壇で先生が「この答えわかる人ー?」って言っても、手なんて絶対あげねーの。心の中で、答えはコレだろ?って思ってるだけ。答えはわかってるんだけど、万が一…っつー一抹の不安?それがある限り、絶対挙手はしないし、その一抹の不安が絶対に消えることはないので、やっぱり挙手も絶対にしない。
あたしはそういう人間なわけ。
でも今回は、挙手制ではなく指名制だったのね。だからあたし答えました。
「ちう、中国…?」
って。
まあ正解です。昔の日本にとっては、中国文化が最先端。文化しかり、宗教しかり。かの空海さんや最澄さんも、どんぶらこっこして中国行ったくらいですから。答えは中国で大正解です。
でも館長さんの案内が続く限り、指名制質問も終わらないの。
2枚のお皿を並べて、気付いた違いはありますか?って、またしても指名されたもんだから、あたし答えた。
「い、色…ですか?」って。
したら次の瞬間ですよ。
「あなた!もっと自分の生き方に自信を持って!!」
って。
某ゲームの、
「異義ありっ!!!」なみに、あたし指ぶっさされまして。
これね、ほんとおっしゃる通りなの。
異義なさ過ぎて、身内どもみんな俯いてにやにやしてたからね。あたしも、ですよねー、って思ったからね。まさか長野は小布施まで来て、生き方について励まされるとは夢にも思わなかったよね。
ほんと、どこの逆転裁判かと思ったわ。
っつーわけで、館長は磁器だけでなく人間を見る目まで持ってるし、あたしは館長のインパクトが強すぎて、磁器のことはすっかり忘れてしまったよね。
でもこの館長さんが楽しいのも事実だし、価値ある伊万里は拝見できるし、お勉強になるのも事実なんで、是非是非行かれてみてはいかがでしょうか。そして自分の生き方に自信のない方は、励まされてみてはいかがでしょうか?