イタリア旅行 ヴェネツィア編②~運河と窓にひしめく人々~
↑これはとある親子の風景。
ヴェネツィアね。
わっかんねーの。道が全っ然わっかんねー。
道は入り組みまくり、建物は壁高くそそり立ちまくりで、目印になるような、例えばサンマルコ広場の鐘楼とかは、すべて遮られてまるで見えない。ようするに、地図読めぬ民にとってヴェネツィアの洗礼は、とても厳しいものでした。
でもここは、水の都ヴェネツィアなわけで。じゃあ船に乗ればいいじゃないって言う人がいると思うんですけども。あたしもね、ああそーですねって思うわけ。ただそれは、チャリンチャリンがある人のお話なんですよ。こちとらさ、東京在住の貧乏人。今回の海外旅行にいたっては、なんと!1年計画でチャリンチャリン貯めて、なんとかやってきたわけですよ。ゴンドラとかね、数十分で、あたしの日給分近くかかっかんね。言っとくけれども。
なもんだから、
「ちょっとそこのゴンドリエーレ!いくら?ふんふん、ふーん。あ、そーなんだー、うんうんオーケー、ちょっとそこまで乗せてってー!」
って、なるわけないの。
あたしはね。命に関わる緊迫した状況に追い詰められでもしない限り、あたしはその料金を払いません!
そうなるともうね、徒歩一択なわけ。
世界中の皆さま共通認識のヴェネツィアの例のコレについては、もうね。
見る一択。
そしてちょいちょい手を振り振られ、異国情緒を味わうのみです。
でも大丈夫。あたしはそれで満足できる人間だから。そういうふうに、精神を鍛錬してきたはずだから。
そんな、ちょっともののあわれな中でとても印象的だったのは、窓の風景でした。
すでに申し上げている通り、ヴェネツィアの街の住居の壁は高く、ふと見上げるとあちこちの窓から生活感がはみ出しておりました。
えらいかっけーお兄さんがタバコを吸いながら顔を出していたので、恐る恐る手を振ってみたところ、素敵な笑顔と一緒に振り返してくれたり、洗濯物がひらひらしていたり。
ひとつの窓にふたりのおっさんがひしめき合っていたり。
運河をいくゴンドラやサンマルコ広場といった観光名所もとても素敵です。でもあたしにとってのヴェネツィアは、窓の風景がとても素敵で印象深い街でした。
ってなわけで、ヴェネツィアの最後にとりあえず、窓に干されてた誰かのパンツだけさらしとくわ。